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「おい、竜。ふざけてんじゃねぇ!」
「あはは、わりぃわりぃ。でもその女の子捕まえなくていいの?」
「言われなくても!」
そういって、俺は目の前の女の子を押さえつけた。
「何するの!?」
そんな俺の行動に、女の子は目を見開き、周りはどよどよとし始めた。
「おい、竜!」
「はいはい!っと。」
俺の合図に竜はおばさんを押さえつけた。
「ぎゃっ!何すんの!!キャー、変態よ!!」
「うるせぇよ、おばちゃん。」
竜はうざったそうに顔をしかめている。
「こんなことしてどうなるかわかってんの!?」
「いやいや、おばさん。それはあんたらの方でしょ。痴漢詐欺は立派な犯罪ですよ。」
その言葉に二人はギョッとして動揺を見せる。
「それに俺、痴漢するような変態じゃないし。」
「何馬鹿なこと言ってるの!?誰もそんなこと信じるはずないでしょ!!」
おばさんはヒステリックに叫ぶ。
「いや…信じてくれると思うよ?」
そういって俺は、深々と被っていた帽子とサングラスを外した。
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