第二章

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まだ二日しかたっていない。それでも、蔵本は俺たちの近くにいた。『俺のことなんて、さっ さと忘れろよ!!』>宮月が黙った瞬間にその声は響いた。蔵本の声だ。間違いない。 >「今、蔵も・・・・」 >俺は言いかけてから気づいた。ツーツーツーツー。電話は切れていて、通話不能の音が耳に響いていた。結局、朝学校に行ったときも、宮月には聞けなかった。宮月もあいつの声を聞いたのだろうか?それとも、俺の幻聴だったのだろうか。そんなことを考えながら、最後の授業になった。授業内容は急遽RHRに変更された。3年生全 クラスがRHRであるつまり、授業が一時間つぶれた。チャイムが鳴るなり、担任の山田が入ってきた。 >「え~皆さんも知っているように、我がクラスの蔵本君が、亡なりました。 >彼は非常に優秀な生徒で・・・」 >『ウソつけ、お前はよく、「蔵本みたいな問題児を持った俺は不幸だ」って本人目の前にして言ってただろうが』俺は心の中で、突っ込みを入れた 「彼の音楽的センスには・・・」山田はここぞとばかりに蔵本をほめていた。死人にくちなし。まさにこのことである。何を考えたか、このクズ教師は死んだ蔵本を褒めることによって自分の株を上げようとしたのだ。蔵元の立てた軽音同好会を一番煙たがってたのは担任の山田であることを俺は知っている。 >「彼の社会に対する好奇心は・・・」 >もういい。もう止めてくれ。蔵本はそんないい奴じゃない。お前の株を上げるために蔵本を褒めるなよ。そんなに、尊敬の眼差しってのは大切なのか?尊敬されたいなら、他人を使うなよ。ましてや、蔵本は他界してるんだぞ。たとえこのクラスの全員が、宮月や俺以外が、クラス会なんかで >「あの演説はよかったよね」「感動した」「人の言葉で泣いたのは初めてだった」「俺は山田先生の話を聞いて立ち直った」「山田先生こそ教師の鑑」 >なんて話していても、俺は一生あんたを恨む。そう心に誓った。でも誓っただけだ・・・俺はいつも考えに行動が着いていかない。 >「彼は残念な事にもう他界してしまったが君達には、まだ未来がある。 >これからも、人生と言う名の道を走ってほしい。」 >そうかい、
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