第二章

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「何だお前もこっちに来たのか。」 >宮月だった。彼はタバコを咥えながら俺にそういった >「授業中の廊下って落ち着かなくてさ。」 >「だろうな。」 >会話は弾まず、二人して山を眺めている。もう一時間は立ったのだろうか。その間に宮もプカプカとタバコを吸っていた。気まずい空気を換えるために >想いっきり人を馬鹿にしようと思った。しかし、今の宮月にはとても話しけられず山に向かって叫んだ。 >「山田の馬鹿野郎!!」 >「うぉ」 >宮月は急に真横で叫ばれたのでビックリしていた。思っていたよりも声が大きかったので自分でもびっくりした。 >「急に大声出すなよ。山田が聞いてたらどうすんだ!?」 >どうやら、宮月は大声を出したことよりも、山田の悪口を言ったことに腹を立てたらしい。理由はわからなかった。 >「あんなヤツの悪口いっ手何が悪いんだよ。死んだ蔵本を点数稼ぎの具財にしたんだぞ。」 俺は、何となくむかついた。少なくても宮月はあの話に感動なんて出来るはずが無い。そう思っていたからだろう。 >「その点にかんしては、俺も同意権だ。あいつには、告別式に来て欲しく無い。が、今は屋上にも着てほしくない。お前にはわからんだろうが、俺は煙草を吸っている。この状況を見られたら俺がどうなるか、解るか??」 >俺は彼が言った意味がわかった。どこにでも有る当たり前の高束である。タバコを吸っている者を目撃した場合は即刻退学。つまりこういうことだ。彼は山田の悪口を言った俺に怒ったのではなく、山田の悪口を言い、教師を呼ぶかもしれないほどの大声を出した俺に怒っていたのだ。すべてに納得がいった。 >「でもなぁ、山田は良く言いすぎだが、あれが教師だろ。教師としてあれぐらいは言わなくちゃいけないんじゃないのか?点数稼ぎとかそんなの関係なしに。」 >俺は少し考えていた。確かにやつは教師だ。奴が教師としてああ言ったなら、少しは納得が行く。でも、しかし、う~ん。 >「まぁ、俺は納得しないけどな。第一あれは言いすぎだ。点数稼ぎ以外の何者でも無い。」 >宮月にそう言われてすべてに納得がいった。やはりアイツは悪である。 >「そろそろ行こうぜ。ダチとして、告別式には遅刻しちゃいけないだろう。」 >宮月はそういって、屋上から出て行った。俺も彼の後に続いた。
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