第一章

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何より、お前が落ちたところで、世の中変わるわけじゃない」 >そう宮月は愚痴をこぼしながら。タバコに手を出した。特製のシガーケースには、あいからわずマイルドセブンがギッシリ入っていた。 >「ほほぅ、ミヤ、余裕そうだな。昨日、大学入試問題を真剣に読んでいた君が懐かしいよ」 >ミヤというのは宮月の愛称だ。何故か、俺じゃなく蔵本が毒づいていた。 >「ミヤがそんな事してたのか。お前テストの成績がいいのは、そういう事か??」と蔵元に続いて俺も毒づいた。 >「それはたまたまだ。偶然だ。神が呟いた。それだけのことだ。」 >苦しい言い訳だった事を今でも覚えている。 >「んで、悠矢お前どうすんだ、今から学校行くわけ??着いたころには授業終わってるぞ」>くだらない雑談のせいで、時刻は12時を回っていた。遠くからはお昼を知らせる、サイレンが聞こえる。ここから俺たちの通う学校までは、駅まで五分。そこから電車に乗り二十分。さらに歩いて十五分合計で40分もかかるのだ。二時には着くのだから、授業が終わっているわけではないが、授業には出れないだろう。担任の山田の 説教は長いことで有名だ。前に遅刻したときは、二時間も坦々と説教を喰らって、終わったときには、膝がガクガク笑っていた。怖かった、とかじゃなく。たまたま、廊下で説教されて二時間立ちっぱなしだっただけのことだ。流石にモウあんな説教は喰らいたくないな。 >となると、答えは明確だ。 >「よし、出かけよう。」 >俺はそう答えを出して鞄の中に征服を詰めて、代わりに私服を引っ張り出した。  >「受験は??」「なるようになる!!」 >宮月の質問は俺の信念の一言でかたずけられた。
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