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俺は、とめることが出来なかった。唖然としていた。
>「何言ってるんだ。ミヤお前は黙ってろ!!」
>かつてない、行動をとった宮月を蔵本は止めた。
>「だけど!!・・・お前はいいのか??」
>宮月は消え入るような声で蔵本に聞いた。
>「いいんだよ。アイツ今惚れてるやつがいるんだと。
>・・・俺はアイツが幸せなら、それでいいんだ。
>だから・・・あいつを応援しようと思う・・・」
>その日、初めて俺は酒という液体を体の中に入れた。何を言うでもなく、3人で黙々と飲んだ。俺は、ドラマで見るような楽しい酒しか知らないが、その日初めてつらい酒もあることを知った。ある程度飲むと、俺は蔵本の横にあるタバコをむしりとった。マルボロメンソールと描かれたその箱から一本とって火であぶってみた。タ バコの吸い方なんて、知らなかった。
>「馬鹿だな。タバコってのはこうやって吸うんだよ。」
>蔵本は慣れた手つきでタバコに火をつけて、煙を俺に吐きかけた。
>「ンフン・・・ゲホ・・・」
>「クハハハハハ」
>咳き込んでいる俺を見て、蔵元は大笑いしていた。悔しくて、今度は自分の持っているタバコの煙を吸い込んでみた。結果はやはり俺が咳き込むことで終わった>「お前、タバコ吸えないならとって吸うなよ。」
>おとなしく自分のタバコを吸っている宮月の横で蔵本はケラケラ笑っていた。
>
>「うるさい!!」
>ガバっと上半身を持ち上げて周りを見渡した夢を見ていたようだ。
>「でもお前は知らないだろう。」
>誰もいない。もちろんそんなことは解っている。
>「俺らが、寝静まったの確認して一人で酒飲んで泣いていたお前を見ていたの・・・それ見て俺も宮月も泣いていたのを・・・お前は・・・知らないだろう。たく、急に死んでんじゃねぇ・・・馬鹿野郎!!」
>誰もいない家で、俺しかいない家で、俺の声は静かに響いた。
>アイツは知らない・・・知らないまま、どこかへ逝っちまったんだ。
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