戯言色

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もし僕の糸が こんな狭い世界で生きていこうとするならば それは定義に基づく甘美な戯言 ここで 生きて 生きて 生きて 僕の糸は戯言色に染まるのを嫌う ここにあるすべての生き物へ 僕の糸を 誰かの糸を 自分の糸を 雁字がらめ<ガンジガラメ>にして苦しいでしょう? 僕がほどいてあげる 冷たい炎でキレイに焙ってあげる 燃えた糸は束縛から抜けて この世界の定義からも抜けて そして戯言色に染まった僕の糸を この上なく安心させる もし君が 僕の糸をこの世界から救いだせるというならば それは一体どんな戯言? 君を 憎んで うらやんで 愛して 僕の糸は君の糸を絞めあげるのに ここにいた ボロボロな君の糸 君の戯言は僕の糸に 深く 深く 深く 染み込んで 他の誰かの戯言ごと 僕の糸を包んでくれた もういない君の糸は 僕の糸を間違えた 広い世界へ連れんで そこで僕の糸を 優しくその戯言で雁字がらめにする ここで 生きて 生きて 生きて 僕の糸は 君の戯言色に 侵されて      
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