∮触れ∮

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気配が二人の頭上を通り過ぎてゆく。 その気配の主は……鳥だった。 大きさはカラスより少し小さいくらいだ。 鳥が目の前を飛んでいく。 その鳥はどこか一際違う雰囲気で…何か重くどこか危険で野生性を鋭く感じさせる。 「……行ったか……」 ザキが鳥を大分遠くまで見送ってからため息混じりに言う。緊張感が過ぎた感じの脱力感。"奴ら"と出会すことは稀にあるが……"奴ら"がその気がなければ……故意に闘いをふっかけたりはしない。 平和に共存出来ればそれにこしたことはないからだ。 ま、"奴隷"を引き連れていたらそうも言ってられないが…。 「……鋭い目してたな…」 ザキが力なく呟く。 僕は神経を研ぎ澄ませた分の力を補おうと深呼吸をする。 ザキの言葉に返事はしたいが今は無理だ。 「……気にあてられたのもあるな…」 そう言いながらザキは暑さの汗と違う汗を拭う。 また周りと同化出来るようになった。
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