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「お前……喋ろ。」
僕も汗を拭く。
とザキが呆れながら言う。
「……ごめん。久しぶりだったから」
素直に謝る。
まだ余計に疲労感がある。
いつもの彼へのツッコミはまだできない。
「"奴ら"―強くなってないか――?」
ザキが、ったくと顔をした後、目を一旦閉じ、そしてそっと開いて真剣な面持ちで言った。
焦り顔なのかな……この顔。
「…僕もそう思ったよ。」
さっきの鳥を思い出しながら答える。
もっともザキは質問したわけではないとは思うが。
と、目の前の一本道の奥から人が走りながらこちらに向かってきた。
………速い。
「――おっ…おっ…遅くなってすみません!」
その人は思ってたより小さく目の前に着くと同時にその場に疲れたように座り込んだ。恐らくザキもずっと見ていたのだろう二人の顔がその人に釘づけだった。
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