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「よいしょ」
立ち上がったかと思うと深々と頭を下げて
「ほんとにすみません!」
と周りがちょっと反応して何事かと振り返るくらいの大声で再び謝ってきた。
「気にしなくていいですよ。」
恥ずかしさと丁寧な謝罪に慌てて手を振りながらその人の顔をマジマジと見る。
女の子だった。
少年かな…と思ってたからちょっとびっくり。
「何か…?ーー案内しますね。」
二人してびっくりした顔で眺めてるからその子はん?と顔を一瞬したが普通にもどり――むしろ笑顔――で来た道を指差した。
二人ともそちらを向き、彼女に目線を戻すと彼女は既に歩き出していた。
丁寧でもなんでもないやつだ。
ザキと顔を見合わせ荷物を持ち、急いで後を追う。
彼女は振り向きもしない。
それに真っ直ぐな人なんだと思った。ある意味。ふと横を見ると、ザキが興味を持っていた。彼女を面白いものを見つけたという目をして見てる。
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