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「あっ申し遅れました…」
僕がイヤイヤザキの分の鍵を受け取り、渋い顔をしていたら、彼女が急にこちらに改めて向き直った。
僕もおっ?と思い顔を普通に戻す。
それを見計らってか言葉が続く。
「日本支部でアジア支部の支部長、井上麻百合です。よろしくお願いします。」
と言いながら深々と頭を下げた。
あっこりゃどうも……
ーーーじゃねぇ!支部長?!この少年の風貌のこの子が?!
僕は口には出さないものの周りから見たら一発で心が読める顔をしていた。
何食わぬ顔しているが彼女ーーー井上麻百合さんはわかったはず。
でも顔は戻す気なし。それでも顔はにこりとしてる。大人だ。つか一体いくつだ?
なんて思考をフル回転させてると、後ろから突然声がした。
「しっかし若いなぁアジア人は。とても30代とは思えない。」
ザキだ。
僕は振り返った。多分彼女も突然のことでびっくりしたに違いない。
「歳は!秘密です!」
ーーいや……怒ってた。
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