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私が9歳の頃だった
反抗期だった私は物を壊したり
4歳の弟をいじめて泣かしたり
悪い子になっていた
注意されても
『私の本当のお母さんじゃないでしょ!』
って反抗した
本当は寂しくてたまらなかっただけなのに……
そんな私にある日、お母さんが話をしてくれた
『サキちゃん、どうして、そういう態度ばかりとるの?』
『だってサキはここの家の子じゃないもん
お母さんだって弟のことしか好きじゃないんでしょ
サキなんかいなくたって、いいって思ってるくせに』
そのときお母さんは私の手を握り
『サキちゃんがそんなふうに思ってたなんて
今まで気付いてあげれなくてごめんね
サキちゃんが初めてこの家に来たときに
お母さんがサキちゃんに言ったこと覚えてる?
お母さんはこう言ったの
お母さんはあなたのことを
世界で一番愛してるわ
これからもずっとよ
だからサキちゃんもお母さんのこといっぱい愛してねって』
そういうとお母さんは私をギュッと抱きしめてくれた
自然に涙が流れてきて
私はお母さんの胸の中でワンワン泣いていた
そのとき愛されるってことがどんなものか初めて知った
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