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私はすぐにお母さんに駆け寄ると
お母さんの手を握った
『……サ…キ……ちゃん?』
意識が朦朧とした中で
酸素マスクを付けたお母さんが必死に声を出している
『そうよ!紗季子よ!お母さんわかる?』
横たわったままのお母さんは
酸素マスクを外して口をパクパク動かして
何か伝えようとしている
私はお母さんの口元に耳を近付けた
『……あり…が…とう』
私はそれを聞いて涙があふれてきた
『ううん、お母さんありがとう』
お母さんはニッコリと微笑んだ
『……あ…い……して……
ピ────────────
機械の音が鳴り響き
まわりにいた医師や看護師が慌ただしく動いた
『いや!お母さん!
お母さん!
お母さん!
聞こえてる?!』
私はお母さんの手を両手で握り何度も呼び掛けた
『お母さん!
お母さん!
私も愛してるよ!
おかあさん!!』
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