最低会費5000円=カーボン矢1本

10/10
前へ
/437ページ
次へ
 美紗が思わず紀久美を見ると、彼女は笑っていた。そして、紀久美はポンと美紗の頭に手を置いて、猫を撫でるように撫でた。 「止めてって……そんな趣味はないし」 「いつもの美紗ちゃんだ」  紀久美のその声は子供を諭す様な穏やかで優しい声だった。 「もっと力を抜かないと、本当に外しちゃうよ」  今度は美紗の両肩に手を置いて、一言だけエールを送った。 「伸びられなくなってるよ――いつもの射形でね」
/437ページ

最初のコメントを投稿しよう!

320人が本棚に入れています
本棚に追加