風船はピンポン玉サイズ

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「ちょっと! それじゃあ畳は私1人で運ぶの?」  1人取り残された紀久美が文句を言う。 「私……立てないし」 「俺……両手塞がってるし」  そう言って、美紗と省吾はステージ裏にたどたどしくも歩いていってしまった。 「裏切り者だよね、まったく」  紀久美の言葉は、省吾だけではなく美紗にも向けられていたことを、美紗は知る由もなかったとさ。
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