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埼玉県立松風学園高校の敷地の一角に、草むらがあった。50mはあったが、そのうちの20mほどは草が深々と生い茂っていた。きっと生物の宝庫だろう。
後の30mはある程度草むしりがされており、整備されていた。
ちょうど草の海との境目の位置に、仕切り板とも言える屋根付きの壁が立ちはだかっていた。その正体は、畳だ。しっかりと柱やパイプを使って建てられた台の上に畳が横向きになって乗っている。
その畳には、的が貼られていた。外側が白で、中心に行くにしたがって黒、青、赤、黄色と円形に色分けがされている。
ちょうどそこから反対に30m行くと、また屋根があり、脇にはドアがあった。そして地面には何枚ものコンパネが敷かれていた。
プール裏のこの施設。そこは松風学園高校アーチェリー同好会の活動グラウンドだった。
そんな痒そうな即席アーチェリー場で、2人の女子生徒が座談をしていた。
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