最低会費5000円=カーボン矢1本

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「今年は絶対に部員採るからね」  風早美紗(かざはや みさ)はそう宣言した。その表情はやる気に満ち溢れていて、しっかりとした意志がうかがえるようだった。 「入ってくれるかな、そう簡単に」  対照的に、隣にいる三島紀久美(みしま きくみ)は、あまり芳しくない顔をしながら、そんな美紗の姿を見つめていた。それはとても美紗を心配している図だった。 「大丈夫よ」  美紗はそう簡単に言ってのける。 「でも美紗ちゃんね、そう言ったってお金の事言ったら……」 「そんな話はしないわよ。入ってきてからおいおいとね」 「……悪徳商法だね」  紀久美が呆れたように呟く。そう、美紗がやっているアーチェリーはお金がかかるのだ。弓具一式を揃えるだけで10万はかかるのだ。 「アーチェリー用具って高いよね」 「高い」 「単価が半端ないよ」  こんな小さいのが1万円だもんね、と紀久美は言って、消しゴムほどの大きさであるクッションプランジャーを手の中で転がす。この道具は、矢の蛇行を防ぐ役割がある。アーチェリーでは不可欠な道具だ。
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