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そう、これはウィルと出会う前の話しだ。
俺はまだ生まれる前の話し‥。
「ウィル、今日の狩りはどうだった?」
そう話すのは、ウィルの母親。
優しくて強く、暖かい母親だった。
「ああ、しっかり皆分捕って来たよ」
村よりは集落は小さい物で、三組の家族が肩を寄せ暮らしていた。
妹や弟はまだ小さく、ウィルだけが狩りへと出ていた。
「お利口にしていたか?」
ウィルはとても家族思いだった。
弟や妹の姿を見ると可愛くて、いつも遊んでいたと言う。
話す時は笑顔で話していた。
「父さんの怪我の具合はどう?」
何故、ウィルしか動けないかと言ったら、父親は生まれながら、病気をしていて、身体はとても動かせ無かった。
その為に無理に動き、よく怪我をしていた。
「すまないな‥、先に食べててくれ‥」
身体は弱かったが、頭は良く、色々と助言等をしてくれたらしい。
集落は狼だけの集落で、力無い者はと言われていたが、父親は頭が良いのが買われて、集落に居る事が許された。
「ダメだ、父さんも食べて、身体良くならないよ」
ウィルは家族が大事だった、だがそんな楽しい日々も直ぐに終わりを迎えた。
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