仲間、家族

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父の元へと急ぎ寄った。 薬草を千切り、父の口にそっと入れ、葉っぱに入った水を渡した。 一時良くなり、父親はぐっすり寝たのを見て、ウィルは眠った。 次の日。 問題は起こった。 昨夜疲れて寝ていたウィルは、外の騒がしさに目が覚めた。 何かあったのかと、集まる場所へと行った。 「ウィル、お前はここから出て行って貰う」 唐突に言い出したのは、ここを仕切る、長老だ。 何故そうなったのか、長老に聞いた。 「昨夜、薬草を取って来たのは知っていた、毒が入っている薬草を飲ませたのだ、そして、奴は死んだ」 ウィルは自分の耳を疑った。 自分が自分の大好きな父親を殺すなんて、想像すらしなかった。 確かに確認はしなかった、それが原因か。 ウィルは友人を決して疑わなかった、長い年月を一緒に居て、信頼していたからだ。 そして、ウィルは父親殺しの罪を着せられ、村を去った。 後日、大きくなった弟が来て、色々と教えてくれた。 どうやら、ウィルは嵌められたらしい。 当時村の権威者は長老とウィルの父親と友人の父親、と言う順番であった。 友人の父親が、ウィルの父親が邪魔で仕方無かったらしい。 友人はどんな気持ちかは知らないが、父親に言われるがままに、薬草の中に毒のある草を混ぜ、ウィルに渡し、ウィルに殺人と言う罪を着せ、父親を消し、我が物顔で村をまとめているらしい。 普通は怒りに狂うのだが、ウィルは違っていた。 実際、父親に毒のある草をあげたのは自分だから、罪滅ぼしをする。 と言うのだ、聞いた当時の私には、理解出来ない言葉だった。
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