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二人で。
数年経ち、ウィルは人里近くまで降りて、あの小屋を見つけて住み始めた。
その頃には、人の姿にも成れる様になっていた。
人の物だと分かっていたが、一向に誰も来る気配がないと、色々と生活に必要な物を買っていた。
人間の世界で稼ぐのは大変で、薬草の事は良く知っていたので、薬草や季節の花を摘み、街で売って生活していた。
勿論、耳や手を隠しながらだった。
軌道に乗り始めた頃、私が拾われた。
当時の私は、普通に生活出来ていたのが不思議だったが、私が朝寝てる間に、売り物の草花を取り、売って居たのだろう。
そんな苦労等知らずにいた私が恥ずかしい。
ウィルが人間の世界での約束事を教えてくれた。
今でも覚えている。
「人間は挨拶が大事なんだ」
「挨拶なんて、どうやるんだ?したことないぞ」
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