この一球に、かける夏

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  ―カキーン! 青い空、眩しい太陽、 セミが球場の外で泣いている。 きっと観客の人たちはうちわで扇いだり、帽子を被ったり、タオルで汗を拭いているのだろう。 そして白球はぐんぐん伸びていく… あともう少しでレフトスタンドに入ったと思う。 そんな大きい当たりをキャプテンは魅せてくれた。 ランナーは一気に二人ホームインして6―1。 スタンドからの歓声、吹奏楽部の演奏が場内を湧かせる― 「ナイスキャプテン!」 「最高ー!!」 キャプテンは「よっしゃー!」と雄叫びをあげ、私と目が合うと胸に手を当てた。 私も笑顔で頷いた。 あの日を忘れない。 何があっても一生忘れないよ― .
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