一話

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せめてこれくらいは食べなさいと言って渡されたパンを口に銜えながら私は走った。こう見えても結構足には自信あるんだ。部活も陸上部にするって決めてるよ。 そんなこんなで走りながら校舎を目指した。あの角を曲がれば確か、校門に着いたはず…。 私はラストスパートをかけるようにダッシュした。 その瞬間、曲がり角から人影は現れる。ああ、と声をあげる暇もなく私は相手にぶつかった。 .
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