四話

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ガラッ。 「席につけ、転校生を紹介する」 先生のその言葉に教室内は更に騒がしくなった。みんなそそくさと席につきドアを見る。 がらりと扉が開き、ひょっこりと黒髪が顔を覗かせる。 わっ、と一瞬だがクラス内の女子が色めき立つ。 「イギリスから来た山口三郎君だ。仲良くしておけよ」 「…よろしく」 ぶっきらぼうにそう言い、三郎と言われた男子は頭を下げた。 女子は頬を赤らめ、ひそひそと何事かを話している。 私も次郎というものがありながら、思わず彼を凝視してしまった。 .
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