2.「新入り店員、その名は緋空➰🍀」

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マスターの予想は見事に的中して、次の日から夕方になると学生で溢れかえった。 その学生がみな口にするのが緋空に「つきあってください」だった。 連日機嫌が悪い瑠璃だったが、いつの日からか少しずつ客足が途絶え、前と同じくだれも来なくなった。理由はいくら通っても緋空が付き合ってくれないから。 その日の夕飯。 「しっかし緋空は全部断ったな、、、なんか理由があんのか?」 「えっと、、すごい昔に必ずお嫁さんにしてあげる。って約束した子がいて、、、顔も覚えてないんですが、、、誰かに告白されるとその子が「駄目!」って泣きそうに言うのがうかんで、、、ってどうしたんです?」 マスターと瑠璃は顔を見合わせていた。 「いや、、、、なんでもない。」 瑠璃は真っ赤になっていた。 「瑠璃?」 「、、、、なんでもない。忘れて早く誰かと付き合いなよ。」 その画面を見せて瑠璃は目をそらした。 「、、、瑠璃?」 僕が話しかけるとまた『なんでもない。』をくりかえした。 「嘘だ!」 僕は肩を掴んで無理やりこっちを向かせた。なにかしなきゃいけない気がしたんだ。冷たい言葉とは裏腹に悲しそうな顔をした瑠璃をみていたら。 「なんでもないならなんで悲しそうなの、、、、?」 僕が瑠璃の顔を見たままそう言ったときクールな瑠璃の顔に涙がつたった。 こっちを向いたまま下をむいて瑠璃は声もなく泣き出した。 「うえっ!?なんで泣っ、、、ごめん!!強く言い過ぎたかな!?ごめん瑠璃、、、、!!!」 驚いた理由は瑠璃が僕に寄りかかったから。正面を向いていた瑠璃が僕に体を預けたから、瑠璃は今僕の胸に頭を押し付ける格好になっている。 いけないとはわかってた。 けど、、、、僕は瑠璃を抱きしめて頭を撫でた。 そんな二人をマスターは静かに見守った。
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