356人が本棚に入れています
本棚に追加
「いらっしゃ、、、、お前、緋空か?」
カウンターでコップを磨いていたカフェのマスターらしき人は僕を見てそう言った。
「あ、、そうです。今日からお世話になる渚緋空です。どこかでお会いしましたか?」
僕がそう言うとマスターはきょとんとしていた。
そんな顔をされても僕は記憶にない。
「そっか、忘れてるんだっけ。座ってな。今コーヒーいれっから。」
僕は言われるままに椅子に腰を下ろした。
近くで見るとマスターは二十歳前後とかなり若い。
コーヒーを淹れていたマスターは急に何かに気づいたように階段に向かって大声をだした。
「おーい瑠璃❗新入りさんだぞ❗」
叫んだ三十秒後にマスターにメールが届いた。
「今来るってさ❗ほら❗住人限定スペシャルブレンドだ。」
マスターは僕にコーヒーを差し出した。その表情は自信に満ちていた。
「すごい!美味しいです❗」
僕が言うとマスターは嬉しそうに笑った。
ちょうどその時階段から人が降りてきた。
凄く綺麗で無表情な女の子だった。
その子は僕を見てこの世の終わりみたいな顔をした。
そして携帯の画面を僕に見せた。そこにはこう書いてあった。
『、、、今すぐ帰って!、、、じゃないとあなたは不幸になる。』
この短時間にこんな事打てる彼女にも、文の内容にも驚いた。
「瑠璃!そんなこと言うと思ったぞ!駄目だ。緋空はここで暮らす。部屋へ案内してこい。」
最初のコメントを投稿しよう!