始まり

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 どうしてあの頃のままでいられなかったのだろう。少年はいつもの荒野へと向かう。狭い路地を通り越し、ただひたすら走っていく。もっと広いフィールドへと。時刻は午後2時をまわっていた。ようやく、少年は荒野に辿り着いた。いつもと何も変わらない風景が、少年の疲れきった心を委ねていた。まるで幼い子供のように。気がつくと少年はただ、いつもの荒野に呆然と立ち尽くしていた。溢れそうな雫を拭い、強く握った手の中の雫が、一枚の羽根へと変わる。そして、その羽根が激しく輝きだす…。
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