願わくば

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「つ……さ」 遠い場所から誰かの声がする。 しかし、翼は聞き取る事ができなかった。 「翼!お……てよ!」 どうやら自分の名前を呼ばれているらしい。 しかしまぶたが重く目を開く事が出来ない。 「翼ってば!」 なんとか聞き取れた声は由美の声のようだ。 今度は近くから由美の声がした後、翼の耳に何かが入ってきた。 もぞもぞと何か生暖かいものが。 「うわぁぁぁぁぁあッ!!」 あまりの気持ち悪さに翼は耳を抑えて飛び起きた。 目の前にはクラスメート達が翼を注目している。 「あ……?」 翼の耳を抑えビックリしている顔に言葉をかぶせたのは、ニヤリと笑っている洋だった。 「やっと起きたか」
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