始まり

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由美はキョロキョロと周りを見回し誰も居ない事を確認すると、スカートという事にも関わらず門をスルスルと登り始める。 そして何とか門を登りきると、飛び降りて地面に着地した。 由美はホッと一息つくと辺りを見渡した。 目の前には建物の入り口があり、入り口の隣には自転車置き場が設けられていた。 入り口はガラスドアで外からでも中を見る事ができるみたいだ。 由美は入り口に近づき、中をのぞいてみる。 中には何にもないと思ったが使わなくなった本棚や、展示していた物が入っている箱が多く見られた。 しかし、何とか片付ければ遊ぶスペースが出来るだろう。 由美は中に入ろうと思ったが悲しい事に、自動ドアで開く事は無かった。 ドアを壊すわけにはいかず由美は、考え込んでしまった。 ふと由美は自転車置き場を見る。 何故か、錆び付いた自転車が1、2体あった。 自転車が何故あるのかが分からないが由美は深く考える事はなかった。 由美は帰ろうかとボンヤリ考えたその時。 自転車から目を外そうとすると、窓が目に飛び込んで来た。 窓から入れないか? 由美の頭にぱっと考えが浮かんだ。 由美は窓に近づき力いっぱいに窓を動かしてみた。
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