死のかくれんぼ

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―市立高台(コウダイ)小学校― チャイムが鳴りみんなは席につき始めていた。 佐藤翼(サトウ ツバサ)は、そんないつもの光景をみながら一番後ろの自分の席に静かに座る。 「みんな!おはよーっ!」 慌てて教室に入ってきたのは、隣の席の由美だった。 「あはは♪ もうすぐ由美ちゃん遅刻するとこだったね」 由美の友達が由美に言葉をかけた後、由美も自分の席に急いで座った。 走ってきたのか、息が荒い。 そして先生が入ってきた事で号令が始められた。 由美は慌てた様子で、礼をし急いで教科書の準備をしようとする。 ランドセルの中の物を乱暴に机の中に入れ込む由美を、横目で見ながら翼は教科書やノートを出した。 (本当にいつもと変わんねーな) 翼は残念そうに心の中で言う。 「ねぇ!翼!」 授業中に小声で話しかけてきたのは由美だった。 由美は授業だというのに授業には集中せずに何か本を開いている。 「なんだよ?」 翼は同じく小声で返した。 由美はニッコリと笑顔をうかべた。 「死のかくれんぼって知ってる?」 「死のかくれんぼ?」 翼は顔をゆがめ由美の満面な笑顔をジッと見た。
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