119人が本棚に入れています
本棚に追加
/474ページ
ハァ…ハァ…
と、息も出来なくなり、私はその場で大きく息を吐きだして、お腹に手をあてながら倒れ込んだ。
…意識は…まだある。
「ぉ…ねが…ぃ…この…この子…を……だすけて…」
涙が流れ、意識が遠のいていく…私の全力の声は掠れ決して"中"に聞こえる筈は無いと思っていた。が、あんなに固く閉まっていた扉から"2つの影"…。
私の声が届いたのだろうか?たまたま外の様子が気になって、出てきたのだろうか? 私にはどっちでも良かった。
でも、私はきっとその時、安堵の表情をとっていたのだろう…。
これで助かる。この子も助けてくれる。 この子が、産まれてきたらギュッと優しく抱きしめてあげよう。『頑張ったね。偉いね』って褒めてあげるんだ。『お母さん、心配ばかりかけてごめんね』って、いっぱい謝るよ。
それで、大切な事を沢山教えてあげるんだ。早く"君"の名前を呼んで、一緒に笑いあいたいなぁ…
ねぇ…マモル
私に…「頑張ったね」って言ってくれるかなぁ…
最初のコメントを投稿しよう!