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西暦2012年12月23日(日)
「ハァ…ハァ」
私は、荒れた瓦礫の下と激しい雨の中を裸足でヨタヨタと息を上げて歩いている。
「ハァ…ハァ」
周りには助けてくれそうな人は誰もいない。視界は激しい雨でほとんど見えない。それでも私は、ハァハァと白い息と膨らんだお腹と一緒にヨタヨタと歩いていた。
どれくらい歩いたんだろう? 私の両足は切り傷と痣でいっぱいだった。
羽織っている黒いコートも雨に打たれて、ほとんど暖かさはなく、雨に濡れた重みは確実に私の体力を奪っていた。
また静かな地響きが地面を伝わる。その余震に、傷ついた身体の傷が振動と共に広がっていく。
…私の体力は限界だった。
少し立ち止まり、周辺を見渡した。"ザー"と降る優しい雨の音ではなく、まるで雨の一粒一粒が小さい石のように私の身体をぶっているような、そんな痛みが私の体力を奪っていく。
そんな激しい雨でも、私の目は慣れはじめる。
周りには、異様な角度で折れた腕…1つだけの足…ビルの破片が無数に刺さってる死体…頭から脳みそがはみ出てる【物】もあった。
周りは…死体…死体…死体!!…死体の山!! 気が狂いそうになる。
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私は何故ここにいるの?
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