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「アイリス。ここがアイリスの部屋?」
「あ、ううん。私の部屋は隣。ここはお母さんの部屋なの」
「そうなの」
「でも今日からメアリの部屋よ?」
「わ、私の!?いいわよっお人形なんかに部屋なんてっ」
「遠慮なんていらないわよ!この部屋だって埃被るより誰かに使ってもらった方が嬉しいに決まってるわ!」
「そ、そうかしら…じゃあ、お言葉に甘えようかな」
メアリはにっこりと笑う。
そして一目散にベッドへと駆けていき、飛び付いた。
あ、ベッドが壊れるっ!!
私はハッとしたが、ベッドはメアリの体を何度も弾き返していた。
あれ…?
「柔らかぁーいっ。でも私重いから沈んじゃうわね」
「ねぇメアリ、体重はいくつ!?普通アンドロイドは2トンくらいあるわよね!?」
「え?んーと…最近計ってないけど、97キロだったかしら」
「きゅ、97キロ!?」
有り得ない!!
そりゃあまあ、メアリのあのすらっとした体型じゃあおかしいかもしれないけど、それは人間の場合であって…。
全身金属のアンドロイドはどんなに軽量化しても2トンを切ることは出来ないはずなのに!
100キロを切るなんて!!
「うふふ。私に使われている素材はね、柔らかくて軽いものなの。
ね?ホント凄いでしょ?お人形屋さん」
「凄いなんてものじゃないわ…そんなアンドロイドを造れるなんて、授賞ものよ!
世界初だわ!有り得ない!」
「凄い褒め様ね。ありがとうアイリス。私お人形屋さんが褒められると嬉しいの」
メアリが笑う。
けど私の興奮は治まらなかった。
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