夕焼け

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綾瀬は美術担当なので、基本美術室に籠り、絵を描いている。 ただ単なる暇潰しであり、趣味であり、仕事になりつつあった。 はぁ。とため息をつき、広く誰も居ない美術室を見渡した。 「絵を描いていると時間の流れが凄く早い。だから彼女できないのか?なかなか出会いもないし。高校生に手を出す訳にも行かないしな。神様は俺に独身貴族でいろとおっしゃってるのか?」 「そんなんばっかり言ってるから彼女できないのよ。絵バカ。」 後ろから声が聞こえ驚き振り向いた。 「なんだ…。有坂か。」 と少し安堵の声をあげたが。 「お前授業は!?」 今の時間は12時。普通なら授業を受けている時間だ。 有坂は美術の準備室から布団を持ってきて、何の躊躇いもなく。 「授業が下らなくて抜け出した。此処でサボらせて。」 その言葉に綾瀬は絶句した。 「お前なぁ。ちゃんと授業受けろよ。赤点とっちまうぞ」
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