―雨―

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少年は恐る恐る、この怪しすぎる青年に声をかけた。 「お兄さんは…誰?人間?」 「いや、お前と同じ鉄の塊に魂を込められた機械だ。見たら分かるだろ。」 「………否、分からない。」 「いやぁ、こんなコード垂らした人間居ないだろ。」 少年からしたら、今まで機械らしいタイプしか観た事が無かったから、人間の姿をしたその人がとても機械には見えず、どう観ても人間にしか見えない…と思った。 「お前の方が最新ロイドって分かってるか?」 「………。」 分かってないな―。 青年は、少年の方が“最も人間らしいロイド”だと教えた。
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