生まれた俺

2/3
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
僕は笑ってなんかいない! でも鏡の僕は笑っている。 鏡に顔を近付けた時、鏡の僕が口を動かした。 『お前、酷いな。』 ―!! 僕は鏡から離れた。 『双子が死んだことを喜ぶなんてな。』 ―は? 僕は喜んでなんかいない! 悲しんでるんだ! 「ふざ‥‥けるな‥‥‥。」 『お前は最低な奴だ。』 ちが‥‥う‥‥‥‥‥違う‥‥‥‥。 『死を喜ぶなんて。』 「やめろ!!」 僕は拳を鏡に叩付けた。 しかし鏡は割れず、手から血が流れ出るだけだった。 『俺をまた死なせたいのか。酷い奴。ハハハハハハ‥‥‥‥』 そう言って鏡の中の俺は笑ってから映るべきものに変わった。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!