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そして遂に勇助の死地、学校に到着。
「まてまて!まだ死ぬと決まったわけじゃない!!」
「決まったようなもんだろ?…男の怨みは末恐ろしいぜ。」
「お前のせいだろ!!」
下駄箱ではしゃぐ二人。だが、勇助は既に気付いていた。
…いつもとは違う学校の雰囲気に。
何というか…大気中に殺気が漂っている感じだ。
「くそ…本気でバレてるのか…歩くたびに男子の視線、もとい殺気を感じる…」
「アッハッハ。今までホームだと思ってたところが突然アウェイに変わるのはどうだ?」
「完全に楽しんでやがるな…そんなに俺が狙われるのが嬉しいか?」
「当たり前だ!!貴様と四ノ宮さんが仲良くするなど言語道断!!空前絶後!!支離滅裂!!」
「お前の言ってることが支離滅裂だろ…」
とにもかくにも学校中の男子の殺気を浴びながら教室を目指す。
廊下を歩こうと階段をのぼろうと教室に入ろうとどこからでも殺気を感じるなど高校生らしからぬ体験をした勇助だった。
「自分のクラスにいるのに落ち着かないな…」
「ハッハッハ。今のお前に安息の場所なんてないのさ。」
自分の席に座りガックリとしている勇助に対して腰に手を当てて笑う歩。
「ほら、四ノ宮さんももう来てこっちを見て………………見てる?なんで?」
「オマケに手に何か持ってるぞ?」
二人の視線の先には四ノ宮 咲姫。自分の席に座っているが体は勇助たちの方を向け、じっと見ている。
そしてその手にはなぜか金色のベルが…
「何だ?あれ…」
チリーン…チリーン…
咲姫はその手に持ったベルを左右に揺らして鳴らす。
「…何してんだ…アイツ…」
「もしかして…勇助、お前を呼んでるんじゃないのか?」
「はっ!?何故!?どうして!?」
「いや…確か金持ちの人ってベル鳴らして執事やメイドを呼ぶって何かでやってたような…お前今日はパシりだし…」
「俺は使用人扱いか!?」
使用人扱いにショックを受ける勇助だが、もし咲姫が本当に呼んでいるのならシカトする訳にもいかない。
仕方ないので一応、咲姫の元に向かう勇助。
「頑張れよ~。」
「ぐっ…」
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