二日目(12月16日 金曜日)

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とかなんとかやってるうちに咲姫の目の前に到着。 「………何だよ?」 「何が?呼んでもいないのに「何だよ」はないんじゃないの?」 「じゃあ、何でベル鳴らしてたんだよ?」 「ふふ…パシりとして自覚あるか試してみたのだけど…どうやら大成功ね。」 「やっぱり俺呼んだんじゃねぇか!!」 出会って二日目の二人だがボケとツッコミの絶妙なコンビネーションを見せる二人。 そしてそれを羨ましそうに遠くの勇助の席から睨む歩。彼の者には睨むことしかできないのであった。 「で、結局俺を呼んだ理由は試しただけか?」 「そうね…どうせだから購買からお茶買ってきて頂戴。」 「うっ…本気でパシりさせるのか…」 「当然。勝者の特権は使わないとね。」 「うぅ…わかったよ…」 パシりをさせられるのは屈辱。だが、約束を破るのは絶対に嫌な勇助。 渋々ではあるが咲姫から代金を預かり購買へと向かっていく。 「ぐぞぅ…今日の勝負は必ず勝ってやる…」 心に固く誓う勇助。茶を買いにいくため教室を出ようとしたその時… 「本当にお嬢様のパシりしてんだぁ。勇助。」 教室から出ようとする勇助に声をかける人物が一人。 赤みがかったショートカットの茶髪にボーイッシュな顔立ち。咲姫と同じ女生徒の制服を着た女の子。 「なんだ…空音か…」 「なんだとはなんだよ?お嬢様のパシりをしている勇助君を心配してあげてるのにさ。」 篠崎 空音(しのさき そらね)。勇助にとっては唯一の女友達。 ちなみに勇助、歩、空音の三人は小学校からの幼馴染みだ。 「でもビックリだなぁ。本当に勇助があの四ノ宮お嬢様のパシりしてるんだもんなぁ。」 「俺だってしたくてしてるんじゃねぇよ…」 「知ってる。勝負ってのに負けて罰ゲームでパシりやらされてるんでしょ?歩が言ってたよ。」 勇助の事情を知っておきながらからかう様に笑う空音。 どうして自分の周りには自分を労ってくれる人物がいないのかと嘆く勇助だった。image=147576617.jpg
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