二日目(12月16日 金曜日)

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「からかいに来ただけなら俺は行くぞ。…茶を買ってこなくちゃいけないんだから…」 「あ、じゃあ、ついでに私のも買ってきて。ココアでいいから。」 「お前まで俺をパシりに使うのか!?」 「ついでだからいいじゃん。じゃ、頼んだから。よろしく~。」 代金百円を渡し、手をヒラヒラさせながら教室に戻っていく空音。 一人廊下に残された勇助は空音の百円と咲姫の百円を握りしめながら購買へと向かっていく。 「くそ…本気で今日の勝負は勝ってやる…」 再び固く心に誓いをたてる勇助だった。 一方、教室… 「あはは、勇助のやつ、本当にパシりしてるんだな。チョウケ~。」 「チョ、チョウケ?何語だ?」 「「超ウケる」。略してチョウケ。」 「…理解しにくい造語を作るなよ…」 勇助の席なのに勝手に居座る歩と空音。 空音としては勇助がパシりをしているという事実だけで笑いが止まらないのだ。 「人一倍負けず嫌いの勇助がパシり…あぁ、思い出しただけで笑いが…」 「ま、勇助も今ごろ歯をくいしばって四ノ宮さんの為に働いてるってことか。」 「ついでに私の為にもね。」 にししと笑う二人。勇助が苦しむ姿はこの二人にとって蜜の味なのか… 「あ、勇助帰ってきた。勇~助~。私のココア~。」 「五月蝿い!!………ほらよ。まずはお前の茶だ。」 教室に入ってきてすぐに咲姫の目の前に来る勇助。机に叩きつけるように茶を置く。 「ご苦労様。今日の勝負は放課後にするからちゃんと待っててね。」 「今日は必ず俺が勝つからな。後で吠え面かかせてやる。」 「ふふ…それは楽しみね。」 そう言って勇助は咲姫の席から離れる。次は空音にココアを渡すのだ。 「ほ・ら・よ!!ココアだ!!有りがたく飲みやがれ!!」 「おう。サンキューな。」 勇助がココアを投げつけるが、空音は何のことなくそれをキャッチ。 「ふふん。現役ソフトボール部員にキャッチボールで挑むなんて馬鹿だねぇ。勇~助?」 「ぐぅ…」 キャッチされるのは予測できていたがこんなに軽々とは予想外だった勇助。 行き場のない悔しさばかりが募っていく勇助だった…
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