二日目(12月16日 金曜日)

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それから間もなくして朝のHRが始まり、担任が滞りなく連絡事項を伝えた。 そして先生が教室から出ていくと… 「天川!昨日の放課後、四ノ宮さんと一緒にいたって本当か?」 「そんでもってトランプで遊んだってのも?」 「さらにそれに負けてパシり兼四ノ宮さんの犬になったってマジ?」 HRが終わった途端、クラス中の男子が昨日の真相を確かめに勇助の周りへと集まる。 突然の質問ラッシュに慌てる勇助だが、一つづつちゃんと話をしていくことにした。 …何やら誤解もあるみたいだし。 「まぁ、おおよそ当たりだが最後の『犬』ってのは違うぞ。…誰がそんなこと言ってんだか…」 「え?これ言ったのって高嶋だよな?皆にチェーンメールで回ってきたし…」 「わざわざチェーンメールかよ…俺の吉報は呪いの手紙扱いか…」 男子の壁によって見えはしないが歩を睨み付ける勇助。 歩も視線もとい殺気に気がついたのか背中に悪寒が走ったとか… 「でも本当ならずるいよなぁ…その『勝負』ってのに勝てば四ノ宮さんに好きなお願いができるんだろ?」 「罰ゲームとしてだけどな。…別に俺はそんなの興味ないし、アイツに勝てればその後は知らん。」 「………そうなのか?」 「あぁ、何なら俺が勝った時の罰ゲームの権利、お前らにくれてやってもいいぞ。」 「な!ほ、本当か!?」 「おう。」 勇助の罰ゲーム譲渡で一気にテンションが上がるクラスの野郎共。ある者は『祭りだー!!』と叫び、またある者は踊り出す。 「そんなに嬉しいか…」 周りの盛り上がりについていけない勇助。何やら自分はいとも簡単に重大なことをサラッと言ってしまったのではないかと不安な気持ちになってくる。 「だ、大丈~夫…だよな?」
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