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ない。
重たい体を必死に動かし、鍵を探す。が、見つからない。
「つか本当にあんのか?」
疑いが胸を過ぎる。
…………いや。
ここまでしてそれはないだろう。
『秋の太陽』はゲーム感覚で俺をここへ閉じ込めた。ならば、ゲームの勝敗が前もって分かるようなセッティングはしないはずだ。
少なくとも、俺はそう思う。
まぁ、焦りながら死んでいく姿を見るのが好き、という変態ならどうなるかは分からないが。
さて、ここで頭を冷やしてみよう。
俺は今、毒が体を巡っている。動けば動くほど毒は体全体に回っていくのだ。
なら、まずは頭で探す範囲を狭めてみよう。
最初に、あそこにある茶色い棚。ドアがあり一見隠してありそうな場所だが、取っ手のところや側面に埃がたまっている事から開けられていないと判断出来る。
次に天井……はないな。
手紙が天井にあった事から初めに注意を向けるからな。
んで、ベッドの下。
ここは怪しいな。電気がない分、見付けにくいか。
探してみるか。
最後にベッド。
灯台もと暗し、とは良く言うからな。あとでベッドマットも全部剥ぐか。
「よし、んじゃまずはベッド下、と」
。
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