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「…………」
無言のまま、俺は顔をあげた。
正直、俺はこの事態を飲み込めていない。
誘拐(で当たってる筈)をされているにも関わらず冷静なのもそのせいだ。
この手紙を読んだところで、それは変わらない。
ふと思い出し、扉を見つめた。
この先に何が待ち受けているのか、俺には到底、想像出来なかった。
だが、この先にはまだ謎があることは分かっている。
そして、ここから出るためにもその謎を解かなければならないのも分かっている。
その時、暗証番号を入力する機械が目に入った。
名前……か。
秋の太陽。
うーん。
阿呆らしいネーミングセンスだ。
「…………」
体が重い。薬のせいだが、初めより酷くなっている気がする。
のっそりと俺はベッドから下りた。
勿論、鍵を探すために。
全国学力テスト1位なめんなよ。
。
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