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夜明け
真夜中に僕は車を走らせていた
どこに行くわけでもなく 誰かに会いに行くわけでもなく、ひたすら車を走らせていた
気付いたら、知らない場所の長く、出口の見えない狭いトンネルの中を走ってた
前にも、後ろにも車はなく対向車も一台もいない
もう、どれくらい走っただろう
まだまだ、出口は見えない
殺風景なコンクリートの壁がひたすら続いている
僕は、この出口の見えないトンネルと自分の今までの生きてきた道を重ねてた 周囲の人の話を聞かず、失敗を繰り返し、気付けば周りには誰もいなくなっていた
なんて虚しいんだ
今さら後悔してさえいる
狭すぎてUターンもできない
あとどのくらい走れば出口は見えるのだろうか
走っても走っても出口は見えない
時刻は4時30分
夜明けと共に周囲の風景が写りだす
そう、ただ暗闇の中を走ってたんだ
夜明けが、それを教えてくれた
君が僕に優しい手をさしのべたように
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