ある真夏の日常で

2/2
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
  「おじちゃーん♪」                 幼い少年が駆け寄ってくる おそらく、小学2年生だろう                 「今日も空を見てたのー?」                 私は「ああ、そうだよ」と頷き、少年の頭を優しく撫でた 少年は嬉しそうに笑い                 「何か思い出でもあるのー?」                 と、いつものように聞いてくる いつもの私なら話しをはぐらかし、この話しを終わらすのだが…                 「えッ!教えてくれるのー?」                 私は優しく微笑み空を見上げる あの日も、今日と同じような真夏の暑い日だったか…                                 一つ一つ、あの遠い日を思い出す                                 それは、私にとって儚い、それでも大切な記憶                                 さぁ、何から話そうか…                                 「あれは…今日と同じぐらい暑い、真夏のある平日だったか――」  
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!