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「少し…羨ましいのかな、私。」
時刻は3時半
先程、玄関から圭吾君の声が聞こえたから二人は今勉強中なのよね…
うーん、と可愛いらしく考え込む
「少しぐらいなら…イイよね?」
そんな事を自問自答しながら、おもむろに女性はクーラーの電源を切り
おもむろに財布を手に取った
「コレで後戻りは出来ないぞー、私。」
そう自分に言い聞かせながら、少女達にバレないよう玄関に向かった
これは自分へのご褒美
少しぐらい外に出るだけ
遠くまで行かない、ちょっと散歩してくるだけなの
だから…大丈夫よ、私
そんな思いを廻らせ
しかしその目には今まで守ってきてくれた家族を裏切る事への罪悪感と、外の世界への自由の羨望が混じり合い滲み出ていた
「ごめんなさい…みんな。でも、私は…。」
と言い残して、女性は家の扉を開いた
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