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うぅん……暑い……。
息苦しい寝苦しい……。
いまだかつて、こんなに気分の悪い目覚めはあっただろうか。
おまけと言ってはなんだけど、何故か体が動かない。
あーこれって……もしかして金縛り…………。
『…………すー…………すー』
では無さそうだ。
まず圧迫感を感じた左腕の方を見ると、寝る前と変わらず蜜柑ちゃんの姿。
それまでは良かった。
そして、何故か蜜柑ちゃんの向こう側に林檎ちゃん。
右腕の方に桃ちゃん。
そして体の上に苺ちゃんまでもが覆いかぶさっている。
『一体、僕が寝てる間に何が起こったんだ……!?』
もう夜は明けてるけど、枕元の時計は、まだ朝の五時半だった。
四人とも、気持ち良さそうに眠っている。
良かった。ほっと、一安心。
けれども、逆に起こし辛くなってしまった。
こんな早朝に、幸せそうに眠る女の子たちを無理矢理目覚めさせるには多大な勇気が必要だ。
『……かといって、この状況で二度寝も厳しいよなぁ』
結局何も出来ず。
『……おにい……ちゃん?』
そんな諦め一色だった僕を、体の上から苺ちゃんが寝呆け眼をこすりながらむにゃむにゃと呼んだ。
『ご、ごめん、起こしちゃった?』
『んーん……』
そっか。美少女は寝起きでも可愛いのか。
小動物チックに答える苺ちゃんを見て、柄にも無いことを思ってしまう。
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