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その、普段何も考えてなさそうな彼女の微妙な表情に驚かされた僕は、利いた台詞もお茶を濁すくだらない話すらも思い付かなくて固まってしまった。 だけど丁度その時派手なメタリックブルーのアオザイを来た店員がオーダーを取りに来て、僕達はビールのお代わりを頼んだ。 その蘭鋳(らんちゅう)みたいな店員が腰までの黒髪を靡かせながら冷えていないジョッキを運んでくる間に、僕はなんとか少しだけ冷静になった。
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