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そういえばあの後輩の女の子に話し掛けられた事も思い出した。 いつの間にか僕の向かいの椅子に座っていた彼女は 「その煙草珍しいですよね。でも知ってます、…も喫ってますよね。」 と、相変わらずの大きな口を開けてまくし立てた。 ピンクラメのグロスは口元を強調し過ぎていて不調和だった。 いわゆる美形では無いが、丸みを帯びた顔のラインと目鼻立ちはこの口も込みで愛嬌があって男にはそこそこ人気らしい。 栗色に染められた髪は肩で綺麗にカールしていて、出来の良い娼婦みたいだ。 その女性らしき名前にさっぱり聞き覚えの無かった僕が 「それは誰?」 と尋ねると、大袈裟に笑った彼女はちょっと前に流行った少女漫画の主人公だと教えてくれた。
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