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高校3年、夏。
どこの学校も多分今日は始業式。
かったるくって面倒で、でもサボる勇気のない私はちゃあんと出席。
長い長い校長の話を私は右耳から左耳へと流していた。
「校長の話って、何でこんな長いの?超眠い~…」
「本当だよねぇ…マジ眠っ…。愛美が話しかけてなかったら、あたしマジで寝てた…」
左隣に座る、佐川 絵里(さがわ えり)は眠そうにあくびをしながらそう言った。
涙目になった目は今にも閉じてしまいそうなほど細くなっている。
「本当に眠そうだね。…つーか寝てたでしょ?
「……」
ついに応答しなくなった。
よくこの状況でマジ寝が出来るもんだ。
私はこの時、絵里を少し尊敬した(笑
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