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「女児監禁は自由とか正義とかと正反対だろっ!自由奪ってるし!てか犯罪だしっ!」
勇魔の正論に、皇蛇は大袈裟な芝居じみた動作で吠えた。
「うるさぁぁい!これだから大人って奴は嫌いだ!!いつも…いつも正論で僕らの自由を奪って。僕らは……僕らは、大人の操り人形なんかじゃないんだぁあ!!!」
「いや、同い年だろお前。」
てか、こいつこの状況を楽しんでやがるな。
「フッ…」
そろそろ本気で疲れてきた勇魔が、帰ろうかなぁとか考えてると皇蛇は眼鏡を妖しく煌(きら)めかせ、今度は低い蠱惑(こわく)的なトーンで語りだした。
「私は、思い知らせなければならないのだよ…」
キャラの一定しない奴だ。
いちいち一人称が変わる。
「あ?誰に?」
少しイラつき気味に返す。
無視すると、蛇みたいな眼で じと~っと見てくるので面倒臭いのだ。
「自らの発育の遅さに悩み苦しむ女生徒達にさ。
彼女らに解らせてやるのだよ……。
その小柄な体躯(たいく)にも、子供っぽい童顔にもっ!まな板然としたツルペタにもっ…!そう、その年齢にそぐわない幼児体形にも……
需要があるって事をなぁっ!!!」
「………」
どうしよう、この変態さんのレベルが既に異次元にいってらっしゃる。
てか、皇蛇には妹がいたはずだが…彼女の貞操は無事なのだろうか。
と、今はここに居ない娘さんに想いを馳せてると……
「止めんかっ!無礼者めっ!離せぇい!!」
皇蛇が仰向けではあるが、蛇のように廊下をズルズルと這っていた。
おお、昔から蛇みたいな奴だとは思っていたが、まさかあんな芸当が出来るとは。
「ちょ!すんません。マジ離して!!痛い!地味に痛い!助けてっ!正太郎くぅ~~ん!!」
ん?何やら様子がおかしい。
いや、あいつがおかしいのは何時もの事だが。
よく見ると、皇蛇は廊下を一人出に這っているのではなく、見知らぬ女生徒に襟首を掴まれ引こずられていた。
「うるさいですね。余り騒ぐようでしたら、この状態のまま階段を降りてもいいのですよ?」
その女生徒は、眼鏡の奥の鋭い目付きを皇蛇に向け、かなりSい事を言った。
「いやっ!それはエグすぎやしませか!?
つか、何で隣のクラスの委員長が俺にちょっかいを出す!?好きなのか?俺のことが好きなのかぁ!?フラグ立っちゃってんのかぁ!!?」
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