第1話

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「では…」 ジャキ ふと、ゴキブリ魔王は勇魔に対し空手の構えのようなポーズをとり言った。 「ふん…我らの健全な遊戯のため、死んでもらうぞ。勇者。」 「…………っ!」 そこで、勇魔はようやく事の重大さに気付いた。 全身から放たれる勇魔に対する殺気も その構えの隙の無さも 全てが規格外だった。 人間じゃない! 一瞬で理解できる。 逃げ場が無い。 沢山の通行人がいる商店街の真ん中で、そう思ってしまった。 その時点で、勇魔の死は確定した。 ギラ ゴキブリ魔王の手甲の鋭い爪が妖しく光る。 「ふん…せめて、苦しんで死ねぇ!」 ザシュッ…!! 視界が、黒に支配された。
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