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ハッキリ言って女か男かを見定める点は制服のズボンか、ライオンヘアーの髪型ぐらいだ。
正直、本格的に女装させるとそこらの美少女コンテストのグランプリなど裸足で逃げ出すほど可愛くなる。
というか実際、無理矢理 商店街の美少女コンテストに出され優勝したことがある。
そういう、トラウマ的過去もあってか勇魔は「可愛い」とか「ちっちゃい」とか言われると異常にキレる。
「ふざけてんなよ…どらぁッ!!」
下からガンを付ける勇魔に対し、鍼金は全く堪(こた)えた様子もなく…
「よ~しよし。落ち着いてぇ、そんな恐い顔しちゃやぁよぉ~?」
園児をなだめる保育士ヨロシク勇魔の頭をヨシヨシと撫でた。
まぁ…完全に逆効果な訳だが。
「てんめっ!」
真っ赤になって鍼金に殴り掛かろうと勇魔が拳を握りしめた瞬間…
「てか、少年…喰ってかかる前にオレに何か言う事あるんじゃねぇの?
一応、命の恩人なわけだし?」
「……はっ?」
勇魔はその不可思議な発言を聞き、握った拳を解き一瞬フリーズした。
「あ……あ!ああ!!」
「こら、人を指差すもんじゃねぇぞ?」
ああ!そうだ、この声!この状況!
色々、非現実的でウッカリしてたが。鍼金が、あの針山を出現させゴキブリ魔王を追い払った張本人かっ!
「あ、ありがとうございましたぁっ!!」
斜め45度!
まさに礼の見本のような姿勢で勇魔はお辞儀をした。
「うんうん、苦しゅうない。苦しゅうない。面(おもて)を上げい。」
なんか、やけに偉そうな鍼金の態度は放っといて礼も言った事だし勇魔は自分の疑問をぶつけてみた。
「ところで、ゴキブリ魔王…護鬼噛とかいうのも含めて、あんた何者だ?人間か?」
「うん?う~あ~~」
鍼金は悩む風にしばらく思考し…
「魔王ハンター!!」
天を指差し答えた。
……あぁ、この方はバカの人なんだ。
と、勇魔が呆れてると鍼金は次々と話しを進めはじめた。
「でぇ、護鬼噛は魔王!……なんだけど、どっちかっつうとアイツもハンター系だな。勇者ハンター!!」
「あっそ…で、何で俺がその勇者ハンターに殺されそうになったんだ?」
鍼金のアホなテンションのせいでやる気が削がれたが、といあえず質問してみる。
まぁ、帰ってくる答えは予想出来るが。
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